ヴィンセント山田先生

わたしのブログからリンクしている「美を送る」というサイトの管理人であるヴィンセント山田先生が先日亡くなりました。


先生は精神保健福祉活動と大学の講師をされていました。私はスクーリングで先生の授業を受けました。


先生から伺ったお話で感銘を受けたエピソードを書きたいと思います。


先生は、「持っているお金の範囲で暮らすことが大切だ」と常々教えています。障害者は収入が少なくて大変です。それでもある中で暮らさなければなりません。あるときメンバーのひとりが「国は収入より支出が多くて赤字になっている。どうして俺たちだけがガマンしなきゃならないんだ」と意見をしたそうです。「それではみんなで総理大臣に手紙を書こう」と山田先生が提案し、みんなで手紙を書きました。すると総理大臣から返事がきました。「まさにご指摘のとおりです。私もこの状況をなんとかしたくて総理大臣になりました。今すぐ赤字をなくすことはできないが、全力で邁進するのでまっていてほしい」という内容だったそうです。みんな納得したそうです。


またあるとき、病院に勤めた大学の教え子が相談にきました。「私は患者さんのためになる仕事をしたいのに院長は利益主義だ」という不満でした。先生はこう話しました。「院長は正しい。経営がうまくいかなかったら患者さんにいいこともできない。儲けるのはよいことだ。院長の方針にそって3年間誰よりも懸命に働きなさい。儲けることを手伝いなさい。すると院長は「おや?」と思ってあなたに注目する。頼りにするようになる。そうしてやっと院長に聞く耳ができるんだ。院長の方から「君はどう思う?」と意見をきいてくるときがある。そのとき「待ってました」と思いの丈をぶちまけてはいけない。思っていることが10個あったらそのうち2、3個いいなさい。院長は自分から聞いた手前、意見を取り入れるだろう。おそらくその意見に利益主義の色合いをつけた方針を打ち出してくる。それを一生懸命やりなさい。すると結果が効果的であると院長がわかって少し変わってくる。また意見を聞いたてきたらまた少しいう。そうやって時間をかけて変えていくんだよ。」


先生はご自分でも時間をかけて変えていくことを実践されていました。


「集合住宅の一室を障害者の居住用に貸してほしい」と所有者に交渉をしたら、「それでなくても外国人居住者が増えて困っている。このうえ精神障害者を受け入れるなどできません」と言われました。先生は「いや、外国人がいっぱいだからこそ、肩身のせまい障害者たちがまぎれていられる。かくれていられるのです」と伝えました。交渉は断られたところから始まり、何度も通っていくなかで進展します。やがて「住民の理解が得られるようなら許可してもいい。近隣の掃除をして理解を得なさい」と言われました。先生はメンバーたちと道路のお掃除を1年間つづけ、その姿を目にするなかで住民の偏見がやわらいでいき、部屋を借りることが許可されました。ほかにも、養鶏所に通って一人のアルバイトを雇ってもらい、そこから10数人の障害者雇用につなげたこともあるそうです。



何度も通うとき、否定的、敵対的な気持ちであれば通いつづけることはできなかったでしょう。「正しさを主張しても人は変わらない」と先生は言っていました。授業に果物をもってきて「バナナにもりんごにもそれぞれ冒しがたい魅力がある。そこを見なさい」と教えてくれました。


先生の話を聞いて、私は思いました。人は信頼できる人の言葉に耳を傾けます。自分を否定する人を信頼できる人はまれです。自分の中に美しさをみてくれる人のために、人は変われるのでしょう。人を変える極意が「美を送る」のサイトにちりばめられています。ヴィンセント山田先生は真の実践家だったと思います。ご冥福をお祈りします。

コメント

Secret

ユーリさん、ありがとうございます☆

今の時代、何でもかんでもスピード化
いろんなものをひっくるめて「いかに早く」を競っているような気もします
即答を求めている自分もいますし ^^;

こうして、時間をかけてじっくり取り組まれている姿・・・
自分を信頼しているからこそ、なのですよね
身にしみ、心にしみまスた。。。(*゜ー゜)ゞ⌒☆

先生のご冥福をお祈りします

とてもすてきな先生ですね
 
最近、自分の周りの出来事が
自分に 「いそがなくていいよ」と
伝えてくれているようでしたが、
このブログをよんで、しみじみと
あぁ、そうなんだなぁ!
と、思えました^^
 
いつも素敵なお話をシェアしてくださって
ありがとうございます^^

☆月のしずく☆さん、どもども~。コメントありがとうございまスた。絵文字超かわいいです。変化には時間がいるのよね~。じっくりコトコト煮込むのよ~。一緒になんとなくがんばろね~。

ひなひなさん、おひさしぶりです~。おかえりなさいませ~。熱烈歓迎~。

発明家の正木和三さんが、「超能力は時間をかけてできたことを短く短縮したものだ」と言ってましたけど、わたしも同感です。「このままいったらそのうちできる」という道のりにいることが大事で、そうやって地道に進んでいくと、あるとき恩赦かなにかで時間短縮されることがあって、それが奇跡にみえるだけなんだと思います。
プロフィール

ユーリ

Author:ユーリ
新宿区中落合でヒプノセラピーをしています。

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