長期間ひきこもっている家族がいる方へ

長期間自宅から出ないことを「ひきこもり状態」といいます。


ひきこもり状態でも買い物など自分が外に出たいときはいつでも自由に外出する人もいますし、何かが自分を邪魔しているような感じがしたり、誰かが自分の悪口を言っているような気がして自由に外出ができない人もいます。


前者は(精神疾患ではない)「社会的ひきこもり」と呼ばれる人たちの割合が多いです。後者は、精神疾患のためにひきこもらざるをえなくなった人たちが多いといわれています。


病気でひきこもらざるをえなくなると生活面でさまざまな支障が起きます。これは「生活のしづらさ」と呼ばれます。


生活のしづらさがあると誰かに生活支援をしてもらう必要があります。


通常は親などの家族が生活支援をしています。


家族だけでは十分な支援ができないのですが、本人は多少不便があっても、他人に関わってもらうより家族の方が気楽なので、その状態が長期化することが多いです。


でもひきこもり状態が長期化するなかで、両親はだんだん高齢になっていき、今までできていたこともできなくなってきます。

片親が亡くなって親ひとり子ひとりという状況になっている家庭も多く存在します。

一人しかいない親が突然病気になった場合、生活支援が急に途絶えてしまいます。

親が病気になるかならないか、生きているかどうかは、通常親自身の意志だけで決められることではないので、ひきこもり状態を続けている本人は、いつなんどき必要な支援が受けられなくなるかもしれないという危険性があることになります。

ひきこもり状態の人にとって必要な支援とはどういうものかといえば、家族の体調やスケジュールに関わらず、必要に応じて安定的長期的に提供してもらえるサービスです。サービス提供をする側の気が向くかどうか、やりたいかどうかというボランティアではなく、サービスを受ける側にとって必要かどうかという点で判断して提供されるサービスです。本人にとって必要な回数来てくれること、本人が気にしていなくても生活全般の支援をしてくれることが必要になります。


そのようなサービスは現代の世の中に存在しています。ヘルパー支援などがこれにあたります。ヘルパー支援はお手伝いさんではありません。お手伝いさんの場合、高い賃金を支払うかわりに頼んだ家事を頼んだとおり一人でやってもらえます。いっぽうヘルパー支援サービスは、安い料金で頼めますが、本人ができるように支援するという意味であり、本人が自分でできるだけのことをするけれど、できない部分だけサポートしてもらえるシステムです。


ヘルパー支援サービスは自分でできないことがある人だけが対象となります。自分でできないことがあると認められるのは「高齢者」と「障害者」だけです。高齢者の場合は、年齢で自動的に認められますが、それ以外の人は役所で障害認定を受ける必要があります。健康なのにもかかわらず面倒くさいから安い料金でヘルパーを使いたいという怠け者の人をお断りするために、特別な認定を役所が出しているのです。


役所等でいう「障害」の定義は「病気などによる生活のしづらさ」のことです。「障害者」というのは、病気などで生活がしづらくなった人たちです。「病気による生活のしづらさ」といっても、風邪のようにすぐ治る病気で短期間だけ生活のしづらさがある場合は障害と呼びません。また病気の治療を拒否しているために生活がしづらくなっている場合も障害とは認められません。傷害と認められるのは、治療を受けているのにもかかわらず長期間生活のしづらさが続く場合です。役所では、医療機関受診(初診日)から継続的に治療して6ヶ月たっても生活のしづらさが残っている場合、申請できます。


次に障害年金のお話をします。国民年金は年をとってからもらえる年金のための積み立てですが、国民年金を支払ってきた人が病気になった場合は、障害年金がもらえます。でももらうための条件は意外と厳しいです。20才の誕生日から、障害年金の申請をする病気で初めて病院を受診した日(初診日)の一ヶ月前までの期間の、3分の2以上の期間、月々国民年金を支払った人だけがもらえる仕組みです。期間がひと月でも足りなかった場合はダメで、1円ももらえません。認定されれば基本的には一生ずっと一定額もらえるので安心です。

先ほど書いた障害者手帳が「病気のために生活のしづらさがある人」のためのサービスであるのと同様、障害年金は「病気のために働けない人」に対して支給される年金です。障害年金はお金をもらうので障害者手帳より条件が厳しく、初診からの期間が長く設定されています。初診から1年半たっても病気のために働けない場合に申請ができます。障害年金の等級はたいていの場合、障害者手帳と同じ等級になります(必ず同じとはいいきれませんが同じ等級になることが多いです)。障害者手帳では1級が一番たくさんのサービスを受けられる等級で、障害年金も1級が一番多い年金額をもらえます。

精神障害の場合病気がよくなると生活のしづらさが減ったり働くことができるようになることがあるので、障害者手帳も障害年金も2年に1回程度のペースで再審査があります。その都度、精神科医が書いた診断書を提出する必要があります。そのため、病院の受診は続ける必要があります。

長期間ひきこもり状態を続けている人が、病気による生活のしづらさや働けないことに対して、安定的にヘルパー支援などの生活支援を受けること、年金をもらえることは、本人の長期的的安定に役にたつことですが、それらのサービスを受けるには障害認定を受ける必要があり、その前提として医療機関で治療を受けること、また治療を受け続けることが必要になります。

本人からしてみれば、今までの暮らし方の方が気楽で気に入っている場合が多いのですけれど、家族だけでは十分な支援ができないこと、また将来的に守ってあげることが難しいため、もっと長期的に安定した環境を用意してあげる必要があります。それらの手続きのために家族以外の人たちにも関わってもらう必要があり、病院で治療を受けたうえで障害認定をもらう必要があります。


本人は、色々な人に会わなければならないことや環境の変化を嫌がることが多いですし、家族の承認による強制入院は本人の願いと違う方向に話を進めることになるので、本人は不愉快な思いをします。でも現代社会にすでにあるサービスで可能な範囲、できるかぎり本人が生活しやすくなるように環境を整えていくことも必要です。もちろんうんと未来の社会からみたら現代社会もまだまだ不十分なところがあるでしょうし、その点では本人に不便をかけてしまうことにはなりますが、不十分ながら今できる範囲で最大限によい結果になるよう、みんなに協力してもらいながら、本人が元気で楽しく長生きできるような環境を作っていかなければならないときもあると思います。


私はヒプノセラピストですが、精神保健福祉士でもあり、このような観点から受診をお勧めする場合もあります。ご家族の方の相談も受け付けております。






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Author:ユーリ
新宿区中落合でヒプノセラピーをしています。

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